Woods & Fieldsでは、「富士湧水の里」山梨県都留市を拠点に、森林資源を無駄なく活用することで、多くの人に里山全体の価値を高める製品・サービスを体感して頂きたいと考えています。
私は幼いころから生きものが好きで、特に生きもの豊かな里山に魅了されてきました。二人の子供の親になり、近郊の里山に出かけ、昆虫や水生生物に触れたり米や野菜を栽培するようになって、生き物に触れる喜び、採れたて野菜・お米のおいしさを体験し、里山環境の尊さを改めて実感しています。
かつて日本人の生活の中心には里山がありました。里山は食料生産の場であり、薪燃料、田畑肥料の供給源でもありました。原風景として懐かしさを感じる人も少なくないのではないでしょうか。
しかし、エネルギー革命、緑の革命により、里山の存在価値は失われ、急速に荒廃が進んでしまいました。近年では、この里山の荒廃により、耕作放棄地の増加、それによる獣害の増加、土砂崩れの発生など、深刻な問題が増加しています。私自身も、里山が各地で荒廃している現実を目の当たりにするようになりました。
農業では、新規就農者として地域に移住する人や、耕作放棄地の活用事例が増えてきており、明るい兆しが見えつつあります。一方、林業においては、慢性的な人手不足により、森林に人の手が入らなくなり、荒廃が全国的に広がっています。国内の間伐材を割りばしなどに有効活用する動きがみられつつありますが、それでも林業はまだまだ深刻な状況であると感じています。
Woods & Fieldsでは、枝打ち作業等で発生する杉・檜等の枝葉など、現場で残置されている森林未利用資源を買い取り、アロマテラピー等で利用されているエッセンシャルオイル(和精油)を精製・販売しています。みなさんに爽やかな和精油の香りを楽しんで頂くことで、森林整備の活性化・拡大の循環の一助になれればと考えています。
また、和精油精製では、その過程で芳香蒸留水(フローラルウォーター)も作られ、煮汁は草木染に、さらに枝葉残渣は堆肥として利用することができます。和精油製造を中心に、これまで価値を見出されていなかった森林資源を余すところなく活用していくことで、森林から田畑まで循環する営みを実現したいと考えています。
里山の楽しさ、恵みの豊かさを皆さんとともに
Woods & Fields 代表 増田 太郎
(山梨県都留市と神奈川県川崎市で二地域居住を実践中)